彼とのスペースはとても居心地がよかった


なんでこんなに居心地がいいのだろう…


わたしは朝彼に出会った時から、なぜだかこの人には抗えないなぁって思っていた
でもなぜ「抗えない」なんていう言葉がでてくるのかはよくわからなかった


なんだか上手く言葉では言えないのだけれど…


なんだろう



彼がゆっくりポツリとこう言った


「前世でぼくらは出会ったことがあるんだよ。だから僕はきみの魂を知っているし、きみも僕を知っているんだ。
だからとても安心しているんだよ」



「はぁ…そういうことだったのか」



あまりにもしっくりしてしまう
そして妙に納得してしまった


本来だったら、やだ何を言っているのだろうこの人(・_・; なんかこわい!とか思うところだけれど


全くそういうことは感じなかった


そして思った
あーそうか、抗えないのではなくて、魂が安心しているんだって


わたしの魂は安堵し、心から安心していたのだ


彼に限らず、初めて会う人なのに、懐かしく感じたり、ずっと前から知っていたようにすぐに打ち解けたり、そういうことはたまにある
それはもしかしたら前世で出会っているのかもしれないね


うん、そういうことかもしれない




辺りは急に薄暗くなり、豪風が吹いてきた…


雨が降る 彼が言った



わたしたちは急いで下る準備をした
これから2時間半の下山を思うと少し憂鬱になったが、下らないわけにはいかない。

下り始め、しばらくは足元が見えたが、薄暗さが闇に変わるのはとても早かった


アルナーチャラからの夜景は全く違う顔を見せ、これがまた絶景だったが、それを堪能する余裕はなかった


できるだけ彼に迷惑がかからないように、安全にしっかり一歩一歩下らなければ…
結構必死だった
いや完全に必死で、途中でメソメソしそうになった

やっぱり下りのほうが断然大変だ…


でもやっぱり魂の安堵は継続していた


彼が一緒だから大丈夫だ



途中で雨が降ってきた


なんだか雨が気持ちがよかった



この道のりを登ってきんだ…と思ったら、すごいなって少し自分を褒めた
ただ ただ、暗闇の中、雨の岩場の道をサンダルで下る恐ろしさよ…

1度休憩をした
休憩というより、足がガクガクで座り込む
心と身体は確実に繋がっている。


わたしは特に、ムラダーラチャクラとマニプラチャクラを意識しながら、アルナーチャラにグランディングするように1歩1歩進んだ


真っ暗な山道を見回しながら、1人だったら完全に遭難だな…って思った


恐ろしい


昔まだバガヴァン ラマナマハリシが肉体を持っていた頃、このアルナーチャラで遭難しかけた人々のもとへラマナはやって来て、道を示したという。

実際にはアシュラムで瞑想しているので身体は行ってないのだが。
何人もの人が実際にラマナに出会い助けられたのだと記録に残していた


遭難したらバガヴァンはやってきてくれるだろうか…


唯一のサインは石に書かれた矢印だけだった。でもそれも暗闇の中では役に立たない

彼は持っていたライトで的確に道を示し、ゆっくり進んだ


とにかく気持ちが大事だ
安全に山を下る
それだけを考えひたすら下る


途中彼はsorryと言った
何のsorryだったのかはよくわからなかったが、そのsorryという言葉がとても優しかった


突然野犬が出没した
わたしは暗闇で野犬(O_O)!!!
>_<っと思ったが、彼らはマウンテンドッグだった。
山のガイドしてくれるんだよって彼が言った

彼らは本当にわたしたちのペースに合わせて進んでは、後ろを振り返って待っていてくれて、また進んでは振り返って待つ

後ろから彼らのシッポを見ているとなんだか癒された…
自然ってすごいな


そして彼らは本当にマウンテンドッグなんだ!


彼らは途中までガイドをして、「ここまでだよ。」というように、私たちを見送って、山に帰って行った。


ありがとう


2時間半の予定が1時間ちょっとで、スカンダアシュラムに着いた…
そこからはフラットな場所になるので、ようやく気持ちが楽になる


気持ちは楽になっても足はガクガク
身体はボロボロ


とにかくここからはあと30分程
あと少し あと少し


そんな感じ


小さな蛇がいた
まるで絵本に出てくるようにとぐろを巻いていた(O_O)
でも疲労と緊張で蛇にも恐怖を感じなかった
でも鮮明にあのとぐろを巻いた蛇の姿が思い浮かぶ…
なかなか可愛かった



ようやくアシュラム裏口の入り口に着いた。そこでやっとわたしの気持ちが楽になった


はぁ…無事に帰ってこれた


バガヴァンと彼に心から感謝をした


感謝



なんだかとても不思議でスピリチュアルに満ちた長い1日だった



彼はこの日のこと、夜のトレッキングのこと きっと一生忘れないよ…と言った


わたしも全く同感である


彼はアシュラム入り口で私を見送ってくれた


不思議な彼とのアルナーチャラ登山はこうして終わった…


おしまい


おしまい